「休む」ことを悪いことだと思っていることの多い日本人。
今回は、休むことも大事なんだということを運動に着目してみていこうと思います。
≪休むことも運動のうち≫
「休むのもトレーニングの内」なんて言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
休むことを疎かにしてしまうと、せっかくの運動の効果が減少してしまいます。
休むことも非常に大事なのですね。
ですので、休むことの大切さを睡眠と絡めてお話していこうと思います。
ここでもう一度、運動は大事だということを強調しておきたいと思います。
筋肉は若い人にとっては運動能力の向上やスタイル維持という意味で大切ですし、中高年以降はスポーツの好き嫌いに関係なく、自身の健康とウェルビーイングのためにも筋肉の維持が不可欠になってきます。
運動はどの年代でも必要なものなのですね。
筋肉に必要なのはトレーニングやプロテインだけではない
効果的なリカバリーとしての生活習慣は、もちろん睡眠です。
十分な睡眠がとれなければ、リカバリー効果は上がらず、筋トレ効果も十分に現れないですからね。
筋肉の成長には、ノンレム睡眠だけでなくレム睡眠も必要
成長ホルモンやIGF-1は、深いノンレム睡眠のときに分泌がマックスになります。
加えて、テストステロン濃度は、ノンレム睡眠ではなく、レム睡眠初期から増加が始まり、睡眠後半に至るまで高い値を維持します。
ですので、筋肉の増強には、睡眠前半に多く出現する深いノンレム睡眠をとることはもちろんですが、ちゃんと睡眠時間を確保して、睡眠後半の部分もしっかりとることが望ましいのです。
逆に質の悪い睡眠や睡眠不足はコルチゾルを増加させ、筋肉の分解を促進してしまいます。
コルチゾルが必要以上に分泌されていると、筋肉の分解が増えて、筋タンパク質の合成が減少してしまいますからね。
睡眠不足は筋肉分解を促進する
睡眠不足が筋肉に良くない理由としては以下のものが考えられます。
➀成長ホルモンやIGF-1の分泌低下によって、筋肉の再生が妨げられる
➁コルチゾルの分泌増加によって、筋肉の分解、破壊が進む
➂睡眠不足は慢性炎症を活発にさせてしまい、筋肉にダメージを与える
2011年アメリカ、シカゴ大学による研究では、5.5時間睡眠を14日間続けた条件では、8.5時間睡眠を14日間続けたときと比べて、筋肉量の減少が60%も多いことが示されました。
完全な睡眠不足つまり徹夜状態では、筋タンパク質の分解速度が飛躍的に増加してしまうわけですね。
ここまでつらつらと書いてきましたが、運動の効果を高めるためにも、もちろん体力や身体の回復のためにも「休息」が必要だということが少しは感じていただけたかなと。
かなり感じてくれていたらかなり嬉しいですが。
【まとめ】
・効果的なリカバリーとしての生活習慣は、睡眠
・筋肉の増強には、睡眠前半に多く出現する深いノンレム睡眠をとることはもちろん、睡眠時間を確保して、睡眠後半の部分もしっかりとることが望ましい
・質の悪い睡眠や睡眠不足はコルチゾルを増加させ、筋肉の分解を促進してしまう
・睡眠不足が筋肉に良くない理由
➀成長ホルモンやIGF-1の分泌低下によって、筋肉の再生が妨げられる
➁コルチゾルの分泌増加によって、筋肉の分解、破壊が進む
➂睡眠不足は慢性炎症を活発にさせてしまい、筋肉にダメージを与える
【クイズ】
Q1:運動後の効果的なリカバリーとして最も適しているのはどれか。
①睡眠 ②運動 ③サプリメント
Q2:質の悪い睡眠や睡眠不足は筋肉の分解を加速させる。〇か×か。
Q3:筋肉の増強にはノンレム睡眠だけをしっかりとることが大事。〇か×か。
回答
Q1の正解:①
効果的なリカバリーとしての生活習慣は「睡眠」です
Q2の正解:〇
その通りです
質の悪い睡眠や睡眠不足はコルチゾルを増加させ、筋肉の分解を促進してしまいます
Q3の正解:×
ノンレム睡眠ももちろん大事ですが、それだけでは物足りないのですね
筋肉の増強には、睡眠前半に多く出現する深いノンレム睡眠をとることはもちろん、睡眠時間を確保して、睡眠後半の部分もしっかりとることが望ましいといわれております
今回は、「休息」が運動にも大事だよ~ということをみてきました。
次回は、実際の運動方法を簡単にお話できればと思います。
次回もよろしくお願いします。
『健康情報を手に入れて、今日も健やかに楽しく過ごしていきましょ~。ではまた。』
【参考文献】
『最高のパフォーマンスを実現する超健康法』メンタリストDaiGo著
『不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる』鈴木 祐著
『スタンフォード式 人生を変える運動の科学』ケリー・マクゴニガル著
『脳を最大限に活かす究極の運動法』久賀谷 亮著
『運動脳』アンデシュ・ハンセン著
『脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方』ジョンJ・レイティ/エリック・ヘイガーマン著
『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』中野ジェームズ修一著
『一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』鈴木 祐著
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