『胃がん』と闘う食材

食事

前回は、「肺がんの改善が期待できる食材」をお話させていただきました。

今回は『胃がん』に関してみていこうと思います。

〖今回のポイント〗

胃がんとは

・塩分の摂り過ぎを筆頭に、発がん性のある硝酸塩を含む食品(干物、燻製など)の多食や、焼き魚・焼き肉などの焦げの摂取、強い酒ないし酒の飲みすぎ、喫煙のほか、大食、早食いなども危険因子

・ヘリコバクター・ピロリ菌にも注意が必要

;この菌は胃の内膜に感染し、がんの原因となる慢性の炎症を引き起こすことで、胃がんを誘引する

・赤身肉の摂取量が約110グラム増えるごとに、胃がんのリスクが17%上昇する+肉の鉄分が胃がんのリスクを倍増させる

・私たちが食べ物から摂取する鉄分は、ピロリ菌の増殖と毒性を促進する

・肉から発がん性物質を生成させてしまう調理法がある

;発がん物質が生成されるのは、肉が高温で調理された場合(複素環アミン)や、直火で焼かれた場合(多環芳香族炭化水素)

➝この発がん物質の生成反応は、ビタミンCによって阻止することができる

➝肉を食べるときには、一緒にビタミンCを多く含む食材も摂取

食事の基本

・塩分を控える(1日10g以下)とともに、熱いもの、飲酒、喫煙にも注意

・ナトリウム排出効果のある食物繊維やカリウムを多めに摂る

・がんの予防効果のあるビタミンA(β-カロテンなど)・C・Eを積極的に摂取する

・トマトに多く含まれるカロテノイドのリコピンは、β-カロテンの約2倍と抗酸化力が強いので、積極的に摂取する

・ケルセチンや硫黄化合物の多いタマネギ、ニンニクや、セレン(セレニウム)を含む食品、魚介類・レバーなどに含まれるビタミンB12の胃がん抑制効果も注目されている

・クルクミンという色素成分が特に胃がんには有効

;カレー粉の黄色の色素(ターメリック=ウコンの根)の主成分で、強力な抗酸化物質

・厚生労働省の調査では、淡色野菜を多く食べる人の胃がんになる率は食べない人よりも52%低く、緑黄色野菜では36%、果物では30%、それぞれ発生率が低くなっている

効果が期待できる野菜類

・β-カロテン(ビタミンA)が多いもの

・ビタミンCの多いもの

・セレンを含むもの

・リコピンの多いもの

・その他;タマネギやにんにく

・ブロッコリースプラウト

効果的な食べ方

抗ガン効果をもつ多種の野菜を素材にし、クルクミンを含むカレー粉を使ってカレーライス、ドライカレーや、炒め物、煮物などにすると、がん予防に一層効果が期待できる

オススメ食材

・タマネギ、ニンニク、ブロッコリー、ほうれん草、モロヘイヤ

【胃がんの改善が期待できる食材】

≪「胃がん」とは≫

塩分の摂り過ぎを筆頭に、発がん性のある硝酸塩を含む食品(干物、燻製など)の多食や、焼き魚・焼き肉などの焦げの摂取、強い酒ないし酒の飲みすぎ、喫煙のほか、大食、早食いなども危険因子と考えられます。

塩分濃度が高いと、胃粘膜の傷害や炎症などを起こし、発がんを促進するといわれています。

これまでに行われた大多数の研究では、塩漬け、漬物、燻製にされた食品や、魚の干物、加工肉、精製炭水化物は、危険だと指摘されています。

また、ヘリコバクター・ピロリ菌にも注意が必要です。

胃がんの最大の危険因子としても知られているのが、ピロリ菌になります。

このピロリ菌と胃がんの発生との関係が指摘されています。

この菌は胃の内膜に感染し、がんの原因となる慢性の炎症を引き起こすことで、胃がんを誘引します。

胃がんのリスク因子をもう少し詳しく見ていきましょう。

[魚の塩漬け]

さまざまな国々の食事内容を比較した研究によって、保存の利く魚の塩漬けや野菜の漬物が、胃がんの原因となっていることが明らかになりました。

加えて、生の野菜や果物は胃がんの発症率を90%も減少させること、生食の魚には胃がんとの関連性は見られないことも明らかになりました。

[野菜の塩漬け]

60件の研究をまとめたレビューによって、漬物の摂取は胃がんの罹患率を著しく高めることが明らかになりました。

塩そのものは直接的な発がん物質とはみなされていませんが、胃の内膜に損傷を与えたり、胃壁を保護する粘膜層を薄くしたり、ピロリ菌のコロニー形成を促進したり、発がん物質の生成や浸透を促進する恐れがあるのですね。

[肉の鉄分]

18件の研究をまとめたレビューによって、赤身肉の摂取量が約110グラム増えるごとに、胃がんのリスクが17%上昇するという結論が出たとのこと。

また、肉の鉄分が胃がんのリスクを倍増させることもわかっています。

ダメ押しとして、私たちが食べ物から摂取する鉄分は、ピロリ菌の増殖と毒性を促進することもわかっていると。

肉から発がん性物質を生成させてしまう調理法があるとのことですのでみていきましょう。

発がん物質が生成されるのは、肉が高温で調理された場合(複素環アミン)や、直火で焼かれた場合(多環芳香族炭化水素)です。

調理法にも気をつけないといけないですね。

ですが、この発がん物質の生成反応は、ビタミンCによって阻止することができます。

ですので、肉を食べるときには、一緒にビタミンCを多く含む食材も摂取しましょう。

このビタミンCは天然の亜硝酸塩を、胃の内膜に対して治癒効果をもつ一酸化窒素に変換する作用があります。

血中のビタミンC濃度が高いと、赤身肉や鶏肉などに含まれるヘム鉄の摂取と関連性のある胃がんのリスクを軽減できると考えられています。

≪食事の基本≫

塩分を控える(1日10g以下)とともに、熱いもの、飲酒、喫煙にも注意が必要です。

また、ナトリウム排出効果のある食物繊維やカリウムを多めに摂ることもポイントになります。

他のがんと同様、がんの予防効果のあるビタミンA(β-カロテンなど)・C・Eを積極的に摂取するとよいでしょう。

トマトに多く含まれるカロテノイドのリコピンは、β-カロテンの約2倍と抗酸化力が強く、予防に有効といわれています。

ケルセチンや硫黄化合物の多いタマネギ、ニンニクや、セレン(セレニウム)を含む食品、魚介類・レバーなどに含まれるビタミンB12の胃がん抑制効果も注目されています。

なんと、クルクミンという色素成分が特に胃がんには有効だといわれております。

カレー粉の黄色の色素(ターメリック=ウコンの根)の主成分で、強力な抗酸化物質です。

細胞のがん化を抑制するだけでなく、細胞ががん化した後の増殖を助ける酵素の働きを抑える効果があるんだとか。

また、免疫力を高める物質を増やし、がんの進行を抑制してくれます。

クルクミンは、たくあんやマスタードなどの着色料にも含まれています。

厚生労働省の調査では、淡色野菜を多く食べる人の胃がんになる率は食べない人よりも52%低く、緑黄色野菜では36%、果物では30%、それぞれ発生率が低くなっています。

肉や塩の摂取量を減らし、果物や野菜の摂取量を増やすことで、日本のような胃がんのリスクの高い国々においても、胃がんの大部分のケースは予防できると考えられます。

≪効果が期待できる野菜類≫

[β-カロテン(ビタミンA)の多いもの]

β-カロテンは代表的なカロテノイドで、体内で必要な量だけビタミンAに変わるため、プロビタミンA(ビタミンAの前駆物質)といわれています。

ビタミンAは胃の粘膜を正常に保つほか、免疫機構を活性化させてがん化した細胞を正常に戻す作用があり、変換されないβ-カロテンには、活性酸素の生成を抑制する作用があります。

このように、β-カロテン(ビタミンA)は、がんの予防・改善に効果があるんですね。

シソ、モロヘイヤ、ニンジン、春菊、ほうれん草、カボチャ、小松菜、アシタバ、チンゲン菜、大根葉、ニラ、ブロッコリーなど緑黄色野菜に多く含まれています。

[ビタミンCの多いもの]

ビタミンCは、発がん物質(特に発がん性の高いニトロソアミン)が体内で生成するのを抑えてがんを予防します。

また、ピロリ菌に対する抑制作用もあります。

ピーマン(特に赤・黄ピーマン)、芽キャベツ、ほうれん草、ブロッコリー、京菜、カブの葉、カリフラワー、ニガウリ、サヤエンドウなどが多く含んでいます。

一般にビタミンCは調理によって失われやすいが、ピーマンやジャガイモは加熱による損失が少なく、ピーマンは3個、ジャガイモは2個で、一日に必要なビタミンCが摂れる優秀な食材です。

[セレンを含むもの]

ミネラルの一種。

過酸化脂質を分解して活性酸素の害から細胞膜や生体膜を守り、発がん抑制作用が認められています。

野菜では特にネギに多く、キュウリ、白菜、タマネギ、ブロッコリーなどにも含まれます。

過酸化脂質の生成を防ぐビタミンE(野菜ではカボチャ、モロヘイヤ、ブロッコリー、大豆などに多い)と一緒に働くと、効果は倍増します。

[リコピンの多いもの]

強い抗酸化力をもつリコピンも予防に有効とされています。

リコピンはトマトを筆頭に、スイカ、柿などに含まれる赤い色素です。

加工用などに用いられる赤系トマトは、生食用のピンク系トマトよりも、リコピンを3倍ほど多く含有しています。

[その他]

タマネギは代表的な抗ガン食品です。

特に消化器系のがんの予防が期待されており、胃ガンの発生を防ぐ優れた効果を示す疫学調査の研究報告が世界中で数多くなされているほどです。

またタマネギだけでなく、多くの研究で、ネギ属の野菜を多く摂ると胃がんのリスクが大幅に低下することが示されています。

タマネギの胃がんの対する予防効果は、含硫有機化合物のヘリコバクター・ピロリ菌に対する殺菌作用とその抗ガン作用、フラボノイドのケルセチンの抗酸化作用が働いていると思われます。

目安としましては、1日2/5個(約80g)以上摂るとよいと。

にんにくも効果が期待できる食材です。

ここからは、少し補足を。

[生の野菜や果物]

野菜と果物といったら、ビタミンCと食物繊維ですよね。

実際に、柑橘類の摂取は胃がんのリスクを低減させる効果があることがわかっています。

生の野菜や果物を十分に摂取すれば、体がビタミンCの自己防衛機能を利用することができます。

また食物繊維には、亜硝酸塩が発がん物質に変わらないうちに除去する働きもあります。

[ブロッコリースプラウト]

1株に含まれるビタミンCはオレンジの2倍、食物繊維はさらに多いと。

ブロッコリーをはじめとするアブラナ科の野菜には、ピロリ菌に対する秘密兵器、「スルフォラファン」が含まれているのが特徴です。

このようなアブラナ科の野菜を多く摂ることで、胃がんのリスクを大幅に減少させることができます。

≪効果的な食べ方≫

抗ガン効果をもつ多種の野菜を素材にし、クルクミンを含むカレー粉を使ってカレーライス、ドライカレーや、炒め物、煮物などにすると、がん予防に一層効果が期待できます。

≪オススメ食材≫

ここまで、さまざまな食材が出てきて混乱してしまうかと思いますので、あいうえお順でよりオススメの食材を羅列しておきますので、参考までに!

・タマネギ

・ニンニク

・ブロッコリー

・ほうれん草

・モロヘイヤ

≪ヘルスメガネマン的オススメ食材≫

ここで、僕がこれまでの内容から独断と偏見で、オススメの食材を厳選してみましたので、気が向いた方がいましたら、参考にしてみてください。

第1位:ブロッコリー

第2位:トマト

第3位:ネギ属の野菜

ここで、僕もよく食べている1品を紹介します。

「野菜ゴロゴロトマトカレー」です。

通常のカレーに、食材として、タマネギ、ニンジン、ジャガイモ、トマト、ブロッコリー

ほうれん草、ニンニクを入れるだけです。

肉はお好きな肉で良いです。

僕的には、トマトカレーは鶏肉が合う印象です。

興味のある方は是非御堪能あれ。

【まとめ】

胃がんとは

・塩分の摂り過ぎを筆頭に、発がん性のある硝酸塩を含む食品(干物、燻製など)の多食や、焼き魚・焼き肉などの焦げの摂取、強い酒ないし酒の飲みすぎ、喫煙のほか、大食、早食いなども危険因子

・ヘリコバクター・ピロリ菌にも注意が必要

;この菌は胃の内膜に感染し、がんの原因となる慢性の炎症を引き起こすことで、胃がんを誘引する

・赤身肉の摂取量が約110グラム増えるごとに、胃がんのリスクが17%上昇する+肉の鉄分が胃がんのリスクを倍増させる

・私たちが食べ物から摂取する鉄分は、ピロリ菌の増殖と毒性を促進する

・肉から発がん性物質を生成させてしまう調理法がある

;発がん物質が生成されるのは、肉が高温で調理された場合(複素環アミン)や、直火で焼かれた場合(多環芳香族炭化水素)

➝この発がん物質の生成反応は、ビタミンCによって阻止することができる

➝肉を食べるときには、一緒にビタミンCを多く含む食材も摂取

食事の基本

・塩分を控える(1日10g以下)とともに、熱いもの、飲酒、喫煙にも注意

・ナトリウム排出効果のある食物繊維やカリウムを多めに摂る

・がんの予防効果のあるビタミンA(β-カロテンなど)・C・Eを積極的に摂取する

・トマトに多く含まれるカロテノイドのリコピンは、β-カロテンの約2倍と抗酸化力が強いので、積極的に摂取する

・ケルセチンや硫黄化合物の多いタマネギ、ニンニクや、セレン(セレニウム)を含む食品、魚介類・レバーなどに含まれるビタミンB12の胃がん抑制効果も注目されている

・クルクミンという色素成分が特に胃がんには有効

;カレー粉の黄色の色素(ターメリック=ウコンの根)の主成分で、強力な抗酸化物質

・厚生労働省の調査では、淡色野菜を多く食べる人の胃がんになる率は食べない人よりも52%低く、緑黄色野菜では36%、果物では30%、それぞれ発生率が低くなっている

効果が期待できる野菜類

・β-カロテン(ビタミンA)が多いもの

・ビタミンCの多いもの

・セレンを含むもの

・リコピンの多いもの

・その他;タマネギやにんにく

・ブロッコリースプラウト

効果的な食べ方

抗ガン効果をもつ多種の野菜を素材にし、クルクミンを含むカレー粉を使ってカレーライス、ドライカレーや、炒め物、煮物などにすると、がん予防に一層効果が期待できる

オススメ食材

・タマネギ、ニンニク、ブロッコリー、ほうれん草、モロヘイヤ

【クイズ】

Q1:胃がんを引き起こすリスク因子として誤っているものはどれか。

 ①味の濃いもの ②野菜や果物 ③飲酒

Q2:焼肉を食べる際には、ビタミンCを多く含む野菜を一緒に摂取するといい。〇か×か。

Q3:胃がんに効果的な食事として、最も適しているのは以下のうちどれか。

 ①カレー ②焼肉 ③干物

回答

Q1の正解:②

 塩分の摂り過ぎを筆頭に、発がん性のある硝酸塩を含む食品(干物、燻製など)の多食や、焼き魚・焼き肉などの焦げの摂取、強い酒ないし酒の飲みすぎ、喫煙のほか、大食、早食いなども危険因子

 野菜や果物は逆にリスクを低減してくれます

Q2の正解:〇

 もちろん〇ですね

発がん物質が生成されるのは、肉が高温で調理された場合(複素環アミン)や、直火で焼かれた場合(多環芳香族炭化水素)です

➝この発がん物質の生成反応は、ビタミンCによって阻止することができます

Q3の正解:①

 抗ガン効果をもつ多種の野菜を素材にし、クルクミンを含むカレー粉を使ってカレーライス、ドライカレーや、炒め物、煮物などにすると、がん予防に一層効果が期待できます

今回は、『胃がんの改善が期待できる食材』に関して簡単にまとめてみました。

次回は、『大腸がん』に対する食事法を簡単にまとめていこうかと思います。

『健康情報を手に入れて、今日も健やかに楽しく過ごしていきましょ~。ではまた。』

【参考文献】

『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』満尾 正著

『食欲人』デイヴィッド・ローベンハイマー著

     スティーヴン・J・シンプソン著

『食事のせいで、死なないために』マイケル・グレガー/ジーン・ストーン著

『人生が変わる 神レシピ』メンタリストDaiGo/つっしー著

『一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』鈴木 祐著

『EAT-最高の脳と身体をつくる食事の技術』ショーン・スティーブンソン著

『死ぬまで若々しく健康に生きる老けない食事』スティーブン・R・ガンドリー著

『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ著

『細胞が生き返る 奇跡の「脂」食革命』ジョセフ・マーコーラ著

『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム著

『この病気にはこの野菜』斎藤 嘉美監修

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