今回は、『脂質』に対する偏見と脂質摂取の大切さをみていこうと思います。
≪「脂肪」摂取への偏見≫
お腹や二の腕についた余分な脂肪。全然へらない下っ腹の脂肪。
「脂肪」というと、あまりいいイメージを持たない人の方が多いのではないかと思います。
ですので、食事でもなるべく脂肪の摂取を控えるようにする人がほとんどかと。
でも、そんな毛嫌いされている脂肪も、人間が生きていく上では、非常に大切なもの。
そんな脂肪とうまく付き合っていくためには、糖質と脂質の摂取バランスを見直していくところから始まるとのこと。
糖質を控え、健康的な脂質、つまり「良いアブラ」を摂る。
それだけで疲れにくく、病気を寄せつけず、太らず、健康的で若々しく、しかも脳がクリアに機能するハイパフォーマンスな人生が手に入ると。
つまり、「糖質は必要以上に摂らないこと」+「『良いアブラ』を選んで積極的に摂ること」。
このバランスが大事ということになりますね。
なぜ糖質を控えるのかというと、ひとことで言えば糖質が「良いアブラ」の働きを邪魔するからに他なりません。
他にも脂質をバランスよく摂ることでよいことがあります。
ブドウ糖の代わりにケトンを代謝することができれば、フリーラジカルの発生を少なく抑えることができ、血糖値も低く保てます。
人の体は糖よりも脂質のほうを効率よく(きれいに)燃焼できるわけです。
つまり酸化によるダメージを減らすことができるわけですね。
糖をエネルギー源とした場合、発生する活性酸素の量は脂肪の燃焼時より30-40%も多くなると言われていますので、糖から脂質へのバランスの見直しは必須といってもいいですね。
人間には糖質と脂質、2種類のエネルギー貯蔵庫がある
ここで、人間のエネルギーを生み出す貯蔵庫に関してみていきましょう。
先ほどから、「良いアブラ」を摂る、ということをお伝えしていますが、その目的は、糖質をエネルギー源として使う糖質燃焼の状態から、脂質をエネルギー源として使う脂質燃焼の状態につくり変えていく、ということになります。
糖質中心の食生活を、脂質中心の食生活に置き換えてあげるということですね。
脂質を燃やす体になるには良質な脂質の摂取を増やし、さらに炭水化物の量を減らして血糖値を低く保つことが必要になります。
でも、食事のバランスは大事ですので、偏りは厳禁ですよ。
糖質によって引き起こされる「炎症」の怖さ
ちょっと糖質に関してもう少しだけ。
白米って気づいたら何杯も食べてしまっていた、なんてことありませんか。
僕はしょっちゅうです。美味しいですもんね~。
でんぷんの多い炭水化物には微量栄養素が少ないので、小麦や米をいくら食べても、体は「栄養素が足りない」と認識し続けるので、どんどん食べてしまいます。
しかも、満腹ホルモンは、脂質やタンパク質を摂ったときはさかんに分泌されますが、炭水化物の場合はあまり反応しないとのことですので、またこれも厄介ですよね。
炭水化物を摂ると血糖値が上がりますので、膵臓からインスリンが分泌されます。
インスリンは脂肪を溜め込むように作用しますので、血中のインスリン濃度が高いほど、体は脂肪を蓄えやすくなるわけですね。
また、中性脂肪は、主に炭水化物の過剰摂取によって増えます。
もう、肥満に向かってまっしぐらって感じです…。
また、糖質を語るうえで欠かせない話題としては、「AGE(終末糖化産物)」になります。
以前のブログでも書かせていただきましたが、再登場ですね。
もう一度、簡単にまとめておきます。
AGEとは終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)、すなわち「タンパク質と糖が加熱されてできた物質」のことです。
強い毒性を持ち、老化を進める原因物質とされています。
AGE(終末糖化産物)は細胞を攻撃し、炎症を引き起こすと言われており、実際に、AGEが血管に蓄積すると心筋梗塞や脳梗塞、骨に蓄積すると骨粗鬆症、眼に蓄積すると白内障の一因となり、全身疾患を引き起こします。
全身疾患を引き起こすAGEを蓄積しない生活習慣が大事ですね。
肥満の真犯人は「炭水化物」と「砂糖」
“肥満”というと“脂質”のイメージを持つ人が多いかと思いますが、実際にはそうではないと。
「太る」という“情報”を体に届けるのは、脂質ではなく、炭水化物(米や小麦、いも類に多く含まれる)や砂糖といった糖質の食べ物なんです。
まずは、ここの認識違いから見直していきたいですね。
カロリーを減らすと体はどんどん弱くなる
体重を減らそうと決意をした人がまず取り組むのは、「カロリーカット」かと思います。
しかし、ただ単にカロリーカットしてしまえばいいというわけではなく、どのような食事をするかの方が大切になってきます。
重要なのは、カロリーを減らしたり、アブラをカットしたりすることではなく、カロリーと脂質を健康的かつ積極的に摂るということ。
どのくらいのカロリーを減らすのか、どれくらいアブラをカットするのか、といったところにフォーカスするのではなく、何を食べるのかという食べ物の質に注目すべきなんですね。
≪『脂質』摂取の大切さ≫
「良い材料」を使って細胞を生まれ変わらせる
脂質を摂ると太ってしまうと思われますが、そうではないです。
アブラを摂取しても、それが「良いアブラ」であれば、むしろ健康で引き締まった体をつくる源になってくれます。
体の機能を高め、健康的な状態になるうえで、「良いアブラ」を摂ることはもっともシンプルにして最良のアプローチなんだということです。
「良いアブラ」があなたを「炎症」から救う
良い脂質を摂るのには、他にもメリットがあると。
アブラを摂る一番のメリットは病気の原因となる「炎症」を防ぐこと。
慢性炎症の原因には、排気ガスやタバコの煙、放射線などいくつかありますが、なんといちばんの原因は食べ物だというんですね。
であれば、体に入れる食べ物は選別していく必要がありますよね。
そこで、炎症を防いでくれる良いアブラの出番となるわけです。
繰り返しになりますが、「良いアブラ」を摂る最大のメリットとして声を大にして言いたいのは、1つは脳の機能が高まること、そしてもう1つは炎症と炎症の慢性化が原因で起こる病気が防げること。
ちなみに僕は、MCTオイルや亜麻仁オイルなどを毎日摂るようにしています。
プラセボもあるかもしれませんが、「良いアブラ」の摂取を始めてから、体調が良くなった気がしています。
是非、みなさんも「良いアブラ」を摂り入れてみてくださいね。
【まとめ】
・「糖質は必要以上に摂らないこと」+「『良いアブラ』を選んで積極的に摂ること」
➝疲れにくく、病気を寄せつけず、太らず、健康的で若々しく、しかも脳がクリアに機能するハイパフォーマンスな人生が手に入る
・ブドウ糖の代わりにケトンを代謝できれば、フリーラジカルの発生を少なく抑えることができる+血糖値も低く保てる
・満腹ホルモンは、脂質やタンパク質を摂ったときはさかんに分泌されるが、炭水化物の場合はあまり反応しない
・「太る」という“情報”を体に届けるのは、脂質ではなく、炭水化物や砂糖といった糖質
・重要なのは、カロリーと脂質を健康的かつ積極的に摂るということ
・何を食べるのかという食べ物の質に注目すべき
・アブラを摂る一番のメリットは病気の原因となる「炎症」を防ぐこと
・「良いアブラ」を摂る最大のメリットは、1つは脳の機能が高まること、そしてもう1つは炎症と炎症の慢性化が原因で起こる病気が防げること
【クイズ】
Q1:糖質と脂質の代謝を考えたときに、フリーラジカルの発生を少なく抑えることができるのは、糖質の代謝である。〇か×か。
Q2:満腹ホルモンは、炭水化物を摂取した時に一番反応する。〇か×か。
Q3:アブラを摂る一番のメリットは病気の原因となる「炎症」を防ぐこと。〇か×か。
回答
Q1の正解:×
糖をエネルギー源とした場合、発生する活性酸素の量は脂肪の燃焼時より30-40%も多くなると言われています
Q2の正解:×
満腹ホルモンは、脂質やタンパク質を摂ったときはさかんに分泌されるが、炭水化物の場合はあまり反応しません
Q3の正解:〇
「良いアブラ」を摂る最大のメリットは、1つは脳の機能が高まること、そしてもう1つは炎症と炎症の慢性化が原因で起こる病気が防げることです
今回は、『脂質』への偏見と、本当は『脂質』って大切なんだよ、ということに関してみてみました。
少しでも脂質に関しての偏見がなくなればいいなぁと思っております。
次回は、『良いアブラ』と『悪いアブラ』に関してみていこうかと思います。
次回もよろしくお願いします。
『健康情報を手に入れて、今日も健やかに楽しく過ごしていきましょ~。ではまた。』
【参考文献】
『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』満尾 正著
『食欲人』デイヴィッド・ローベンハイマー著
スティーヴン・J・シンプソン著
『食事のせいで、死なないために』マイケル・グレガー/ジーン・ストーン著
『人生が変わる 神レシピ』メンタリストDaiGo/つっしー著
『一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』鈴木 祐著
『EAT-最高の脳と身体をつくる食事の技術』ショーン・スティーブンソン著
『死ぬまで若々しく健康に生きる老けない食事』スティーブン・R・ガンドリー著
『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ著
『細胞が生き返る 奇跡の「脂」食革命』ジョセフ・マーコーラ著
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