前回は、「大腸がんの改善が期待できる食材」をお話させていただきました。
今回は『食道がん』に関してみていこうと思います。
〖今回のポイント〗
食道がんとは
・主な危険因子は、喫煙、多量のアルコール摂取、胃食道逆流症など
・他に発がん性のある硝酸塩を含む食品(干物、燻製など)の多食、ワラビなどの山菜や古漬け、カビの発生したものを食べるなども危険因子
食事の基本
・上記の食事を避け、生活習慣を改善する
・特に、不足しがちなビタミンA(β-カロテンなど)や食物繊維を充分に摂る
・がんともっとも関連性が大きかったのは、肉の摂取や脂肪分の多い食事
・抗酸化物質の豊富な植物性食品をおもに食べることで、食道がんのリスクは半減する
・脂肪の摂取が胃酸の逆流を引き起こすいっぽうで、食物繊維にはそのリスクを低減させる効果がある
・食物繊維は排便を規則的にするだけでなく、鉛や水銀などの毒素と結合し、大便とともに体外に排出する働きもある
効果の期待できる野菜類
・β-カロテン(ビタミンA)の多いもの
・ビタミンCの多いもの
・セレンを含むもの
・ネギ属の野菜
効果的な食べ方
・β-カロテンは吸収率が低いので、緑黄色野菜は油で調理して吸収率をアップさせる
・ビタミンCは水に溶け、熱や酸素によって破壊されやすいので、野菜を調理するときには水にさらす時間や加熱時間を短くする
オススメ食材
・タマネギ、ニラ、ネギ、ブロッコリー、ほうれん草、モロヘイヤ
【食道がんの改善が期待できる食材】
≪「食道がん」とは≫
食道がんは男性(特に40歳以上)に発生する確率が高く、女性の約5倍にもなると。
初期にはほとんど自覚症状がありませんが、食べ物がつかえるような感じが続く場合には、速やかに専門医による検査を受けた方が良いです。
主な危険因子は、喫煙、多量のアルコール摂取、胃食道逆流症などになります。
他に発がん性のある硝酸塩を含む食品(干物、燻製など)の多食、ワラビなどの山菜や古漬け、カビの発生したものを食べるなども危険因子となります。
食道の粘膜が弱くなったり、傷ついたりすると、発がん物質が入り込みやすくなり、がんの発生につながります。
また、熱いものはがんの発生しやすい状況をつくるので、避けた方がよいです。
食道がんを予防するには、喫煙と飲酒を避けることに加えて、もっとも重要なのは胃酸の逆流を防ぐことであり、それは食事によって予防できます。
≪食事の基本≫
前述の「原因となる食品や食べ方」を避けること、食品数を多くして栄養のバランスをよくすることが大事になります。
特に、不足しがちなビタミンA(β-カロテンなど)や食物繊維を充分に摂るよう心掛けましょう。
[胃酸の逆流と食道がん]
がんともっとも関連性が大きかったのは、肉の摂取や脂肪分の多い食事でした。
赤身肉が食道がんと強い関連があるのに対し、鶏肉は胃と食道のつなぎ目あたりにできるがんと強い関連が認められました。
また、ある実験では、脂肪を摂取すると5分もしないうちに、胃の上部にある括約筋が弛緩し、そのせいで胃酸が食道に逆流してしまうという結果が得られたと。
このような結果を招かないためにもっともよい方法は、胃酸の逆流を起こしやすい食べ物の摂取を最小限に抑えて、胃酸が食道に上がってこないようにすることです。
つまり、食事の選択が大事だということですね。
また、抗酸化物質の豊富な植物性食品をおもに食べることで、食道がんのリスクは半減することがわかっています。
食道と胃のつなぎ目にできるがんの予防には、赤、オレンジ、緑黄色の葉野菜、ベリー類、りんご、柑橘類がもっとも効果的ですが、未加工の植物性食品はすべて食物繊維を含んでいるため、効果があります。
[食物繊維と裂孔ヘルニア]
上記のように脂肪の摂取が胃酸の逆流を引き起こすいっぽうで、食物繊維にはそのリスクを低減させる効果があります。
食物繊維を多く摂取すると、胃酸の逆流の根本的な原因である、胃の一部から胸腔までのヘルニア形成を予防することができるため、食道がんのリスクは1/3に下がります。
このように、菜食中心の食事をしている人たちは排便が楽にできるため、胃が正しい位置におさまっています。
つまり、食道がんの原因となる胃酸の逆流を減らすことができるわけですね。
また、食物繊維は排便を規則的にするだけでなく、鉛や水銀などの毒素と結合し、大便とともに体外に排出する働きもあります。
私たちの体はつねに食物繊維を摂ることで、過剰なコレステロールやエストロゲンなどの老廃物を腸まで運び、排出するようにできているわけです。
ですので、天然の食物繊維の摂取源である植物性食品がつねに腸に入ってこないと、不要な老廃物が吸収されてしまい、体の解毒作用を妨げてしまう可能性が上がってしまいます。
≪効果が期待できる野菜類≫
[β-カロテン(ビタミンA)の多いもの]
β-カロテンは代表的なカロテノイドで、体内で必要な量だけビタミンAに変わるため、プロビタミンA(ビタミンAの前駆物質)といわれます。
ビタミンAは食道の粘膜を正常に保つほか、がん化した細胞を正常に戻す作用があり、変換されないβ-カロテンには、活性酸素の生成を抑制する作用があります。
このように、β-カロテン(ビタミンA)には、がんの予防・改善に効果があります。
シソ、モロヘイヤ、ニンジン、春菊、ほうれん草、カボチャ、小松菜、アシタバ、チンゲン菜、大根葉、ニラ、ブロッコリーなど緑黄色野菜に多く含まれています。
[ビタミンCの多いもの]
ビタミンCは、発がん物質(特に発がん性の高いニトロソアミン)が体内で生成するのを抑えてがんを予防します。
ピーマン(特に赤・黄ピーマン)、芽キャベツ、ほうれん草、ブロッコリー、京菜、カブの葉、カリフラワー、ニガウリ、サヤエンドウなどが多く含んでいます。
一般にビタミンCは調理によって失われやすいが、ピーマンやジャガイモは加熱による損失が少なく、ピーマンは3個、ジャガイモは2個で、一日に必要なビタミンCが摂れる優秀な食材です。
[セレンを含むもの]
ミネラルの一種。
過酸化脂質を分解して活性酸素の害から細胞膜や生体膜を守り、発がん抑制作用が認められています。
野菜では特にネギに多く、キュウリ、白菜、タマネギ、ブロッコリーなどにも含まれます。
過酸化脂質の生成を防ぐビタミンE(野菜ではカボチャ、モロヘイヤ、ブロッコリー、大豆などに多い)と一緒に働くと、効果は倍増します。
[ネギ属の野菜]
ネギ属(タマネギ、ネギ、ニラ、ニンニク、らっきょう、アサツキなど)の食道がんに対する予防効果は、その抗菌作用により胃内細菌の成長を抑制し、発がん物質の産生を減少させていると考えられます。
タマネギは辛みの強いものを1日2/5個(約80g)以上食べるとよいみたいです。
≪効果的な食べ方≫
β-カロテンは吸収率が低いので、緑黄色野菜は油で調理して吸収率をアップさせて食べるとよいです。
ビタミンCは水に溶け、熱や酸素によって破壊されやすいので、野菜を調理するときには水にさらす時間や加熱時間を短くするようにしましょう。
≪オススメ食材≫
ここまで、さまざまな食材が出てきて混乱してしまうかと思いますので、あいうえお順でよりオススメの食材を羅列しておきますので、参考までに!
・タマネギ
・ニラ
・ネギ
・ブロッコリー
・ほうれん草
・モロヘイヤ
≪ヘルスメガネマン的オススメ食材≫
ここで、僕がこれまでの内容から独断と偏見で、オススメの食材を厳選してみましたので、気が向いた方がいましたら、参考にしてみてください。
第1位:ブロッコリー
第2位:ネギ属の野菜
第3位:ほうれん草
ここで、僕もよく食べている1品を紹介します。
「ブロッコリーのねぎだれがけ」です。
ブロッコリーは小房にわけて電子レンジで加熱します。
長ネギをみじん切りにし、ごま油・鶏ガラスープの素・ニンニク・レモン果汁・醤油と混ぜ合わせます。
これをブロッコリーにかければ完成です。
興味のある方は是非御堪能あれ。
【まとめ】
食道がんとは
・主な危険因子は、喫煙、多量のアルコール摂取、胃食道逆流症など
・他に発がん性のある硝酸塩を含む食品(干物、燻製など)の多食、ワラビなどの山菜や古漬け、カビの発生したものを食べるなども危険因子
食事の基本
・上記の食事を避け、生活習慣を改善する
・特に、不足しがちなビタミンA(β-カロテンなど)や食物繊維を充分に摂る
・がんともっとも関連性が大きかったのは、肉の摂取や脂肪分の多い食事
・抗酸化物質の豊富な植物性食品をおもに食べることで、食道がんのリスクは半減する
・脂肪の摂取が胃酸の逆流を引き起こすいっぽうで、食物繊維にはそのリスクを低減させる効果がある
・食物繊維は排便を規則的にするだけでなく、鉛や水銀などの毒素と結合し、大便とともに体外に排出する働きもある
効果の期待できる野菜類
・β-カロテン(ビタミンA)の多いもの
・ビタミンCの多いもの
・セレンを含むもの
・ネギ属の野菜
効果的な食べ方
・β-カロテンは吸収率が低いので、緑黄色野菜は油で調理して吸収率をアップさせる
・ビタミンCは水に溶け、熱や酸素によって破壊されやすいので、野菜を調理するときには水にさらす時間や加熱時間を短くする
オススメ食材
・タマネギ、ニラ、ネギ、ブロッコリー、ほうれん草、モロヘイヤ
【クイズ】
Q1:食道がんのリスク因子として誤っているものは以下のうちどれか。
①喫煙 ②アルコールの節酒 ③胃食道逆流症
Q2:食道がんを引き起こす食事として、不適なのは以下のうちどれか。
①肉 ②脂肪の多い食事 ③糖分の多い食事
Q3:食道がんにおいても野菜の摂取は重要だ。〇か×か
回答
Q1の正解:②
主な危険因子は、喫煙、多量のアルコール摂取、胃食道逆流症などです
他に発がん性のある硝酸塩を含む食品(干物、燻製など)の多食、ワラビなどの山菜や古漬け、カビの発生したものを食べるなども危険因子となります
Q2の正解:③
この中では③ですね
がんともっとも関連性が大きかったのは、肉の摂取や脂肪分の多い食事でした
Q3の正解:〇
脂肪の摂取が胃酸の逆流を引き起こすいっぽうで、食物繊維にはそのリスクを低減させる効果があります
また食物繊維は排便を規則的にするだけでなく、鉛や水銀などの毒素と結合し、大便とともに体外に排出する働きもあります
今回は、『食道がんの改善が期待できる食材』に関して簡単にまとめてみました。
次回は、『乳がん』に対する食事法を簡単にまとめていこうかと思います。
『健康情報を手に入れて、今日も健やかに楽しく過ごしていきましょ~。ではまた。』
【参考文献】
『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』満尾 正著
『食欲人』デイヴィッド・ローベンハイマー著
スティーヴン・J・シンプソン著
『食事のせいで、死なないために』マイケル・グレガー/ジーン・ストーン著
『人生が変わる 神レシピ』メンタリストDaiGo/つっしー著
『一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』鈴木 祐著
『EAT-最高の脳と身体をつくる食事の技術』ショーン・スティーブンソン著
『死ぬまで若々しく健康に生きる老けない食事』スティーブン・R・ガンドリー著
『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ著
『細胞が生き返る 奇跡の「脂」食革命』ジョセフ・マーコーラ著
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム著
『この病気にはこの野菜』斎藤 嘉美監修
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