【快眠に導くナイトルーティン】
〖今回のポイント〗
デジタルデトックス
・「デジタルデトックス」とは、一定期間スマホやパソコンなどのデジタルデバイスとの距離を置くことで、ストレスを軽減し、現実世界でのコミュニケーションや、自然とのつながりにフォーカスすること
・デジタルデトックスで、「睡眠の質が改善」する
・ブルーライトは、ストレートに網膜まで届いてしまうため、網膜や視神経は強い刺激を受けてしまう
➝睡眠の誘発に欠かせないメラトニンの分泌が抑制されてしまい、眠れなくなる
・オススメできないのが、ベッドの中でスマホを見ること
➝スマホの場合、同じようにブルーライトを発するテレビやパソコンよりも距離が短いため、ブルーライトの影響も大きくなってしまう
・ほんの少しの明かり、具体的には8-10ルクス(ロウソクの明かりと同じくらい)でも、人体のメラトニン分泌を遅らせる効果がある
・ブルーに近い色の照明ほど目を覚まさせる効果あり
;青色波長成分を多く含む環境(460-470nm)に身を置いてしまうと、眠気を誘うメラトニンの分泌と体温下降が抑制されてしまう
・ブルーライトにとくに敏感なグループは、「ティーンエイジャー」
・メラトニンの分泌は電磁界を浴びることで大幅に阻害されることもわかっている
➝スマホの充電は寝室とは離れた場所で行うのがベスト
デジタルデトックスの方法
・デジタルデトックスの最大の目的は、「無意識のうちに手にしている寝る前のスマホによって、自分の睡眠の質がダダ下がりしていることに気づくこと」
対策➀:デジタルデバイスの使用時間を制限する
対策➁:寝室にスマホを持ち込まない
対策➂:寝室にテレビを置かない
対策➃:日中に太陽の光を浴びる
デジタルデバイスによる体への影響
・ティーンエイジャーのときから携帯電話を頻繁に使用していると、大人になってから脳腫瘍になる確率が4-5倍高くなる
・部屋にテレビがあると、肥満になるリスクも格段に高まる
デジタルデバイスによるメンタルへの影響
・SNSをチェックするという行動は、脳に余計な興奮を与えてしまう
・ソーシャルメディアにおける承認欲求は、子どもや若者にとってはとくに問題
・対策法
;・1日に何回、どんな目的でデバイス(テキストメッセージ、電子メール、通知機能、SNS)をチェックしているかを数えてみる
・「スクリーンタイム」を利用する
・デジタルデトックスの時間を少しでも作り、日中に少しテクノロジーから離れて、他に心地よいことをする時間を持つようにする
《デジタルデトックス》
「デジタルデトックス」とは、一定期間スマホやパソコンなどのデジタルデバイスとの距離を置くことで、ストレスを軽減し、現実世界でのコミュニケーションや、自然とのつながりにフォーカスすること。
デジタルデトックスには、さまざまな良い効果が確認されていますが、今回注目したいのは、やはり「睡眠の質の改善」です。
現代人にとって、デジタルデバイスは生活する上で切っても切れない存在となっていますよね。
ですが、ベッドに入っても寝ずに、いつまでもスマホを見るという“余計なこと”をしている生活習慣自体が、現代人の睡眠に悪影響を与えている可能性があるといいます。
最大の理由に挙げられるのが、スマホやタブレット、パソコンなどのディスプレイから発せられるブルーライトの影響です。
ブルーライトは、その強さゆえに角膜や水晶体で吸収されず、ストレートに網膜まで届いてしまうため、網膜や視神経は想像以上に強い刺激を受けてしまうことに。
寝る前にそんな強い光を目にすると、睡眠の誘発に欠かせないメラトニンの分泌が抑制されてしまい、眠れなくなってしまうわけです。
これはブルーライトが太陽の光に似ているため、体内のメラトニン分泌が遅れ、それに伴い睡眠の時間が後ろにずれてしまうことによります。
このようにブルーライトは睡眠を奪う強力な因子であるため、デジタルデトックスをおろそかにすると睡眠不足になりかねません。
[光の量による影響]
では、実際にどの程度のブルーライトで、どの程度睡眠に影響するのかをみていきましょう。
夜間に中程度の光を一時間浴びただけで、脳内のメラトニンは昼間のレベルに下がってしまうほど、光には影響力があります。
寝る前にコンピューターの画面に2時間向かうだけで、夜間に分泌されるメラトニンの量が著しく抑制されることがわかっているほど。
また、寝る前にiPad(画面で青色LEDを使っているタブレット)を2時間使うと、メラトニンの分泌が23%も抑えられてしまうと。
寝る前にiPadで読書している人いるかと思いますが、夜は是非とも紙の本で。
なぜなら、上記のようにメラトニン分泌が抑制されることで、メラトニン分泌の始まる時間が、紙の本に比べて最大で3時間も遅くなってしまうから。
スクリーン上で本を読んだ後は夜に睡眠圧を感じにくくなり、睡眠の前半で重要な役割を果たす深い睡眠がそれほど深まらなくなってしまうのですね。
また、オススメできないのが、ベッドの中でスマホを見ることです。
スマホの場合、同じようにブルーライトを発するテレビやパソコンよりも距離が短いため、ブルーライトの影響も大きくなってしまうとのこと。
携帯電話の画面から出る光のスペクトルは、日中に分泌されるべきホルモンの分泌を促すので、眠っているはずの時間に分泌されるセロトニンの分泌に遅れが生じ、量も減少してしまいます。
後述しますが、寝室にはスマホは持って行かないのがベスト。
寝室には電子機器などが置いてある人も多いかと思いますが、それにも注意が必要です。
機器の電源ランプのあの赤い光でも影響を与えると。
実際に、ほんの少しの明かり、具体的には8-10ルクス(ロウソクの明かりと同じくらい)でも、人体のメラトニン分泌を遅らせる効果があることがわかっています。
そんな小さな光でも影響を及ぼすなんて、光は強敵ですよね。
(それとも我々人間が敏感過ぎるのか…)
[光の色の違いによる影響]
先程から出てきていますが、ブルーに近い色の照明ほど目を覚まさせる効果があります。
夜間に、青色波長成分を多く含む環境(460-470nm)に身を置いてしまうと、眠気を誘うメラトニンの分泌と体温下降が抑制されてしまうことがわかっています。
色に対する対応策として僕自身が行っていることは、「アンバーグラスの使用」です。
これにより、LEDや蛍光灯などの強い青い光から目を保護してくれます。
仕事から帰ってきたら、これを装着して過ごしています。
興味のある方は使ってみてはいかかでしょうか。
[年齢による影響の違い]
では、年齢によってブルーライトの影響に違いはあるのでしょうか。
実際にあるみたいです。
太陽光に似た光であるブルーライトにとくに敏感なグループは、「ティーンエイジャー」だと。
寝る前に携帯電話で話すと深いノンレム睡眠の段階に達するのが遅くなり、深い睡眠の時間が短くなることがわかっています。
回復力、免疫機能、ホルモン機能が低下し、翌日の頭や身体の働きが悪くなってしまうと。
また、メラトニンの分泌は電磁界を浴びることで大幅に阻害されることもわかっていますので、スマホの充電は寝室とは離れた場所で行うのがベスト。
≪デジタルデトックスの方法≫
デジタルデトックスの最大の目的は、「無意識のうちに手にしている寝る前のスマホによって、自分の睡眠の質がダダ下がりしていることに気づくこと」です。
「何もすることがないから」「なんとなく」というだけで、無意識にスマホを開くことが良くないということを認識しましょう。
デジタルツールとの向き合い方をチェンジすることで、寝付きも睡眠の質も大きく変わることがわかっていますので、是非実践してみてください。
[対策➀:デジタルデバイスの使用時間を制限する]
寝る前はブルーライトの影響力を強める行為(真っ暗な部屋でスマホを長時間見る など)は避けましょう。
また、就寝前はスマホやタブレット、パソコンなどを見る時間を制限しましょう。
寝る2時間前からスマホをシャットアウトできればベストです。
就寝前に機内モードにすることで、スマホが鳴らない、スマホを気にしない状態に慣れることが重要です。
無論、画面のある機器のスイッチを切ることが推奨されるのはもちろんですが。
で、デジタルデバイスと距離を置いたことでできた時間を使って、寝る前の90分間に、入浴や瞑想などで脳をリラックスさせる行動にあてるといいでしょう。
[対策➁:寝室にスマホを持ち込まない]
寝室にスマホは持ち込まない。これに尽きるかもしれませんね。
思い立ったらすぐ手に届く、そういう場所にデジタルデバイスを置かないことで自然に寝る前の使用頻度が減っていきます。
[対策➂:寝室にテレビを置かない]
なんと自室にテレビのある子どもは、試験の点数が低く、睡眠に問題を抱える傾向が高いことがわかっていると。
自分自身だけでなく、子どものためを思うなら寝室はシンプルに。
[対策➃:日中に太陽の光を浴びる]
季節や日中にどれだけ太陽光を浴びたかで、夜のブルーライトの影響が変わってくると。
夏はブルーライトの影響が少なくなるのですが、それは夏は日を浴びる時間が長いから。
この問題は、太陽の光を浴びる時間の不足と相まって初めて生じるわけです。
つまり、夜にブルーライトを発する画面から受ける影響の大きさは、日中どのくらい光を浴びたかに左右されるわけです。
ですので、冬など日の短い季節はとくに、太陽光を少しでも逃さないようにすることが重要になります。
被験者が十分な光を浴びていた場合は、輝度を最大に設定したタブレットを2時間使用しても、睡眠に影響を与えなかったとの報告もあります。
太陽の光の下で、たとえばアウトドア活動やスポーツなどを行うことで、画面から発せられるブルーライトによる睡眠障害は予防できる可能性があるというわけですね。
これを言うと、日中にしっかり太陽光を浴びているから夜はスマホ使い放題だと勘違いする人が出てきそうですが、そうではありませんので誤認しないように。
影響が少なくなるだけで、全く影響されないというわけではないですからね。
夜は使わないに越したことはありません。
≪デジタルデバイスによる体への影響≫
いきなりですが、衝撃的な事実をお伝えしますね。
ティーンエイジャーのときから携帯電話を頻繁に使用していると、大人になってから脳腫瘍になる確率が4-5倍高くなるなんていう報告があります。
ちょっとびっくりですよね。
また部屋にテレビがあると、肥満になるリスクも格段に高まるなんていう報告も。
ちょっと脱線にはなりますが、寝室にテレビのないカップルがセックスした回数は、テレビを置いているカップルのなんと2倍。
よりよい性生活を送りたいなら、寝室には余計なものは置かないようにした方がいいかもしれませんね。
≪デジタルデバイスによるメンタルへの影響≫
SNSをチェックするという行動は、脳に余計な興奮を与えてしまいます。
また、ソーシャルメディアにおける承認欲求は、子どもや若者にとってはとくに問題となります。
なぜ、子どもや若者に特に問題となるのでしょうか。
それは、おもに衝動や感情のコントロールを司る前頭葉がまだ完全には発達しきっていないからです。
他人の投稿と十分に距離を保つことができず、ソーシャルメディア上の情報はどれも、投稿者の生活のごくわずかな部分を切り取っただけのものであり、ひとつの人格がもつ多様な側面を映し出すものではない、ということを理解しきれないわけですね。
また、眠る直前までメールやメッセージに返事をしていると、ストレスのかかる可能性のある状況に自分をさらし続けていることにもなります。
なかなかの問題ですよね。
[対策]
1日に何回、どんな目的でデバイス(テキストメッセージ、電子メール、通知機能、SNS)をチェックしているかを数えてみるといいです。
これにより自分自身のSNSなどとの付き合いからを客観視することができます。
また「スクリーンタイム」もオススメです。
これも、自分のスマホ使用状況を客観的に把握できますからね。
最初は難しいかもしれませんが、デジタルデトックスの時間を少しでも作り、日中に少しテクノロジーから離れて、他に心地よいことをする時間を持つようにしましょう。
慣れてきたら徐々に時間を増やしていきましょう。
【まとめ】
デジタルデトックス
・「デジタルデトックス」とは、一定期間スマホやパソコンなどのデジタルデバイスとの距離を置くことで、ストレスを軽減し、現実世界でのコミュニケーションや、自然とのつながりにフォーカスすること
・デジタルデトックスで、「睡眠の質が改善」する
・ブルーライトは、ストレートに網膜まで届いてしまうため、網膜や視神経は強い刺激を受けてしまう
➝睡眠の誘発に欠かせないメラトニンの分泌が抑制されてしまい、眠れなくなる
・オススメできないのが、ベッドの中でスマホを見ること
➝スマホの場合、同じようにブルーライトを発するテレビやパソコンよりも距離が短いため、ブルーライトの影響も大きくなってしまう
・ほんの少しの明かり、具体的には8-10ルクス(ロウソクの明かりと同じくらい)でも、人体のメラトニン分泌を遅らせる効果がある
・ブルーに近い色の照明ほど目を覚まさせる効果あり
;青色波長成分を多く含む環境(460-470nm)に身を置いてしまうと、眠気を誘うメラトニンの分泌と体温下降が抑制されてしまう
・ブルーライトにとくに敏感なグループは、「ティーンエイジャー」
・メラトニンの分泌は電磁界を浴びることで大幅に阻害されることもわかっている
➝スマホの充電は寝室とは離れた場所で行うのがベスト
デジタルデトックスの方法
・デジタルデトックスの最大の目的は、「無意識のうちに手にしている寝る前のスマホによって、自分の睡眠の質がダダ下がりしていることに気づくこと」
対策➀:デジタルデバイスの使用時間を制限する
対策➁:寝室にスマホを持ち込まない
対策➂:寝室にテレビを置かない
対策➃:日中に太陽の光を浴びる
デジタルデバイスによる体への影響
・ティーンエイジャーのときから携帯電話を頻繁に使用していると、大人になってから脳腫瘍になる確率が4-5倍高くなる
・部屋にテレビがあると、肥満になるリスクも格段に高まる
デジタルデバイスによるメンタルへの影響
・SNSをチェックするという行動は、脳に余計な興奮を与えてしまう
・ソーシャルメディアにおける承認欲求は、子どもや若者にとってはとくに問題
・対策法
;・1日に何回、どんな目的でデバイス(テキストメッセージ、電子メール、通知機能、SNS)をチェックしているかを数えてみる
・「スクリーンタイム」を利用する
・デジタルデトックスの時間を少しでも作り、日中に少しテクノロジーから離れて、他に心地よいことをする時間を持つようにする
【クイズ】
Q1:「デジタルデトックス」で手にできるものとして適しているものは以下のうちどれか。
①睡眠の質 ②ストレス ③筋力
Q2:睡眠の質を低下させる光の色として最も適しているものは以下のうちどれか。
①オレンジ ②ブルー ③レッド
Q3:デジタルデトックスの方法として誤っているのは次のうちどれか。
①寝室にスマホを持ち込まない ②寝室にテレビを置かない ③日中は屋内で過ごす
回答
Q1の正解:①
デジタルデトックスで、「睡眠の質が改善」します
他にも、「気持ちがスッキリする」「創造力が高まる」「目の疲れが取れる」「頭がすっきりする」「ストレスが減る」「幸福感が高まる」「五感が冴える」などの効果があると
Q2の正解:②
ブルーライトですね
ブルーライトは、ストレートに網膜まで届いてしまうため、網膜や視神経は強い刺激を受けてしまいます
➝睡眠の誘発に欠かせないメラトニンの分泌が抑制されてしまい、眠れなくなります
Q3の正解:③
対策➀:デジタルデバイスの使用時間を制限する
対策➁:寝室にスマホを持ち込まない
対策➂:寝室にテレビを置かない
対策➃:日中に太陽の光を浴びる
今回は、「デジタルデトックス」に関してまとめてみました。
次回は、「“無”になる大事さ」を見ていきたいと思います。
『健康情報を手に入れて、今日も健やかに楽しく過ごしていきましょ~。ではまた。』
参考文献
『よく眠るための科学が教える10の秘密』リチャード・ワイズマン著
『スタンフォード式 最高の睡眠』西野 精治著
『賢者の睡眠 超速で脳の疲れを取る』メンタリストDaiGo著
『一流の睡眠』裴 英洙著
『睡眠こそ最強の解決策である』マシュー・ウォーカー著
『世界の最新論文と450年企業経営者による実践でついにわかった 最強の睡眠』西川 ユカコ著
『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』ショーン・スティーブンソン著
『最高の体調』鈴木 祐著
『ぐっすり眠る習慣』白濱 龍太郎著
『世界最高のスリープコーチが教える 究極の睡眠術』ニック・リトルヘイルズ著
『Sleep,Sleep,Sleep』クリスティアン・ベンディクト著 ミンナ・トゥーンベリエル著
『最高のリターンをもたらす超・睡眠術 30のアクションで眠りの質を高める』西野 精治著 木田 哲生著
『不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる』鈴木 祐著
『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』田中奏多著
『熟睡者』クリスティアン・ベンディクト著 ミンナ・トゥーンベリエル著
コメント