睡眠の質を上げるアプローチ~睡眠環境編~Part2

睡眠

今回も、「睡眠の質を上げるアプローチ法」の「睡眠環境」に着目してみていきましょう。

今回は後編です。

【睡眠の質を上げるアプローチ】

《睡眠環境へのアプローチ》

眠れるパジャマの黄金ルール

理想的な就寝時の服装は、やはり「眠るための衣服」としてつくられたパジャマ。

「快眠のためのパジャマ」は、次の2つのポイントが重要となります。

①伸縮性が高い(生地がよく伸びる)

②吸湿発散性が高い(汗をよく吸う)

1つずつみていきましょう。

まずは1つ目のポイントである「伸縮性が高い(生地がよく伸びる)」です。

伸縮性がないと、そのたびに体が引っ張られて、眠りが浅くなってしまうからですね。

寝るときにゆったりとしたデザインの服を少ない枚数着るほうが、体温調節がしやすくなるとも。

かつ、ジャストサイズよりもワンサイズ上を選ぶことで、寝返りがよりスムーズになります。

また、締めつけの強い服は、リンパ系の流れを実際に遮断する恐れがあります。

リンパ系の流れが服の締めつけによって遮断されると、細胞外液が体内のあちこちにたまってしまいますので、注意が必要です。

次は2つ目のポイントである「吸湿発散性が高い(汗をよく吸う)」です。

「綿95%・ポリウレタン5%」程度の、綿がメインの混合素材がオススメなんだと。

理想は「モダール50%以上」、次いで「綿95%・ポリウレタン5%」程度の素材がよりいいと。

ポイントとしては、夏でも長袖長ズボンがいいというところですかね。

選ぶ際には、実際に触って、気持ちのいいものを選ぶというのもポイントになりますかね。

女性はブラジャーを着けずに寝る/男性はタイトな下着を避ける

ブラジャーをつけたまま寝る女性は乳がんを発症するリスクが60%高くなるなんて報告があります。

下着の締めつけが強いと、生殖機能に大きく影響しかねないということでしょうかね。

先程のパジャマと一緒で、下着に関しても締めつけには注意しましょう。

睡眠の質を左右するベッド

ベッドに限らず、すべての寝具に抗アレルギー性のものを使うようにしましょう。

最も効果的なのは、回復ルームに入る「最大サイズのベッド」を使うことです。

枕選びのポイント

質のよい睡眠をもたらす寝具の条件は、「通気性のよさ」「スムーズな熱放散」です。

頭部の温度は深部体温と同じ動きをするため、寝つきをよくするには「通気性のよさ」と「スムーズな放散」がポイントになるわけです。

その他のポイントとしましては、「自分の好きな素材を選ぶ」でしょうか。

ですが、条件として頭と首をしっかり支えてくれるウレタン製で、ある程度硬さのあるものがオススメではあります。

性差でいうと、首が長い女性は高めが、首が太くて短い男性は低めが合うと。

他には、呼吸しやすいこと、横顔が美しいことを判断材料にするといいかもしれません。

高すぎる枕だと首が前に折れて、イビキをかきやすくなってしまいます。

横から見て二重顎になっていたら、完全にアウトですね。

逆に低すぎると口が開いた状態になり、風邪をひきやすくなるので低すぎも良くありません。

適切な高さの枕を選ぶようにしましょう。

また、枕の幅としては、頭の大きさの2.5-3倍くらいの横幅があるのが理想とのことです。

睡眠の質を左右するマットレス選び

枕以上に大事なのがマットレスや敷布団なんだそう。

理想は、「寝ているときも起立時のような美しい姿勢が保てること」。

正しく調整されたマットレスの表面は、身体の形と重みをしっかりと受け止め、体重を均等に分散し、まっすぐな身体のラインをつくってくれます。

マットレスは、人体に害のないもの、かつ反発性が長く保たれるものがいいわけです。

そこで、マットレス選びの3つのポイントを紹介します。

①全身の力がスーッと抜けるか(抜けないとしたら、硬すぎることが考えられる)

②マットレスが背中から腰にかけてぴったりとフィットし、腰に違和感がないか

③横になったとき、よい姿勢で立ったときと同じ姿勢になっているか(腰が沈みすぎると柔らかすぎ、反っていると硬すぎと考えられる)

です。

もし候補のマットレスをチェックするときは「横向き寝」の姿勢で試してみてください。

マットレスの交換時期ですが、7年前後で交換する必要があるといいます。

寝そべったときにいちばん重くなるのは腰の部分なので、マットレスはその形にそって沈み、いちばん重い部分から劣化し、反発性(押し返す力)が失われていくんだそう。

羽毛布団の選び方とメンテナンス

羽毛の素晴らしさは、「天然のエアコン」と言われるように、温度と湿度の調整を「自動」で行ってくれるところになります。

掛け布団としてもダウンが多く含まれるほうが使い心地はよくなりますし、保温性もよりいいです。

高価にはなってしまいますが、ダウン90%以上のものがオススメです。

重いブランケットを使う

なぜ重いほうがいいのでしょうか。

具体的な効果としては、起床時のグッスリ感や睡眠時無呼吸の改善、睡眠時における不安感の低下、入眠時間の短縮と夜間覚醒の減少などが挙げられます。

重い毛布で睡眠の質が高まる理由はシンプルで、「包み込まれる感覚の増加」によって安心感が増すからともいえますね。

体重が45-70kgの人は7kg前後のブランケットを使うように推奨されていますので、参考にしてみてください。

湯たんぽや電気毛布は寝る前まで

就寝中も使い続けることはしないようにしましょう。

外部から手足を温めようとするのではなく、身体の内部を温め、血行を良くすることのほうが重要であることは忘れずに。

湯たんぽや電気毛布で温めたままだと、深部体温が下がらずに寝付きが悪くなるし、就寝中に蒸れた状態となり睡眠の質を下げることとなってしまいます。

また、靴下を吐いたまま寝るのもNGです。

基本的に体温を下げるときに、どこから放熱するかといったら、手のひらと足の甲です。

靴下を履いていたら、足の甲からの放熱が妨げられ、体温は下がりにくくなってしまい、睡眠の質の低下につながってしまいます。

【まとめ】

眠れるパジャマの黄金ルール

・「快眠のためのパジャマ」は、次の2つのポイントが重要

①伸縮性が高い(生地がよく伸びる)

②吸湿発散性が高い(汗をよく吸う)

女性はブラジャーを着けずに寝る/男性はタイトな下着を避ける

・ブラジャーをつけたまま寝る女性は乳がんを発症するリスクが60%高くなる

睡眠の質を左右するベッド

・最も効果的なのは、回復ルームに入る「最大サイズのベッド」を使うこと

枕選びのポイント

・質のよい睡眠をもたらす寝具の条件は、「通気性のよさ」「スムーズな熱放散」

睡眠の質を左右するマットレス選び

・理想は、「寝ているときも起立時のような美しい姿勢が保てること」

・マットレス選びの3つのポイント

①全身の力がスーッと抜けるか(抜けないとしたら、硬すぎることが考えられる)

②マットレスが背中から腰にかけてぴったりとフィットし、腰に違和感がないか

③横になったとき、よい姿勢で立ったときと同じ姿勢になっているか(腰が沈みすぎると柔らかすぎ、反っていると硬すぎと考えられる)

羽毛布団の選び方とメンテナンス

・掛け布団としてもダウンが多く含まれるほうが使い心地はよくなりますし、保温性もよりいい

;ダウン90%以上のものがオススメ

重いブランケットを使う

・具体的な効果

;起床時のグッスリ感や睡眠時無呼吸の改善、睡眠時における不安感の低下、入眠時間の短縮と夜間覚醒の減少など

湯たんぽや電気毛布は寝る前まで

・湯たんぽや電気毛布で温めたままだと、深部体温が下がらずに寝付きが悪くなるし、就寝中に蒸れた状態となり睡眠の質を下げることとなってしまう

【クイズ】

Q1:いいパジャマの条件として誤っているものはどれか。

 ①汗をよく吸う ②収縮性あり ③ピタッとしたもの

Q2:快眠を導く寝具として誤っているものは以下のうちどれか。

 ①ダウンの割合が高い羽毛布団 ②軽いブランケット ③巨大なベッド

Q3:寒い冬には湯たんぽや電気毛布を就寝中も使うことで体を温める。〇か×か。

回答

Q1の正解:③

「快眠のためのパジャマ」は、次の2つのポイントが重要です

①伸縮性が高い(生地がよく伸びる)

②吸湿発散性が高い(汗をよく吸う)

Q2の正解:②

 「重い」ブランケットを使いましょう

 起床時のグッスリ感や睡眠時無呼吸の改善、睡眠時における不安感の低下、入眠時間の短縮と夜間覚醒の減少などの効果を得られます

Q3の正解:×

 湯たんぽや電気毛布で温めたままだと、深部体温が下がらずに寝付きが悪くなるし、就寝中に蒸れた状態となり睡眠の質を下げることとなってしまいます

今回は、「睡眠の質を上げるアプローチ法」として“睡眠環境”に焦点を当ててみてきました。

次回は、“食習慣”に焦点を当てて紹介させていただきます。

『健康情報を手に入れて、今日も健やかに楽しく過ごしていきましょ~。ではまた。』

参考文献

『よく眠るための科学が教える10の秘密』リチャード・ワイズマン著

『スタンフォード式 最高の睡眠』西野 精治著

『賢者の睡眠 超速で脳の疲れを取る』メンタリストDaiGo著

『一流の睡眠』裴 英洙著

『睡眠こそ最強の解決策である』マシュー・ウォーカー著

『世界の最新論文と450年企業経営者による実践でついにわかった 最強の睡眠』西川 ユカコ著

『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』ショーン・スティーブンソン著

『最高の体調』鈴木 祐著

『ぐっすり眠る習慣』白濱 龍太郎著

『世界最高のスリープコーチが教える 究極の睡眠術』ニック・リトルヘイルズ著

『Sleep,Sleep,Sleep』クリスティアン・ベンディクト著 ミンナ・トゥーンベリエル著

『最高のリターンをもたらす超・睡眠術 30のアクションで眠りの質を高める』西野 精治著 木田 哲生著

『不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる』鈴木 祐著

『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』田中奏多著

『熟睡者』クリスティアン・ベンディクト著 ミンナ・トゥーンベリエル著

コメント

タイトルとURLをコピーしました