睡眠の質を上げるアプローチ~運動習慣編~

睡眠

今回は、「睡眠の質を上げるアプローチ法」の「運動習慣」に着目してみていきましょう。

【睡眠の質を上げるアプローチ】

《運動習慣へのアプローチ》

運動による身体の変化は眠っているあいだにしっかりと起こってきます。

睡眠を改善するために必要な運動の最低ラインは1日30分ほど。

細切れでもいいので、とにかく累計で1日に30分以上は体を動かすことが大事です。

軽いストレッチかウォーキングを行い、週に合計150-210分の運動時間を目指しましょう。

1週間に計150分の「中~強レベル」のエクササイズを行うと、睡眠の質が65%改善することもわかっております。

重いウエイトを持ち上げると、アナボリックホルモンが分泌され、気分は上向きになり、見た目は若返り、よく眠れるようになることもわかっておりますので、筋トレも是非取り入れていきたいですね。

数値はすぐに改善しますが、睡眠が実質健全になるのは、運動を2週間休まず続けてからとのことですので、「継続は力なり」で頑張りましょう!

運動のタイミング

運動もタイミングを間違えると逆に睡眠の質を落としかねないのでタイミングも重視していきましょう。

[良いタイミング]

最高の睡眠を得るには午前に運動するのが理想的です。

睡眠・覚醒リズムの最適化を図るには、午前中に運動するとよいです。

また、外での活動は(時間次第では)太陽光を浴びることができ一石二鳥ですのでオススメになります。

7-8時の間、もしくは15-17時の間に持久系のスポーツをすると、光の有無に関係なく、体内時計が朝型へ調整されるので、後ろにズレがちな現代人にはオススメですね。

まぁ一番なのは、私たちの体のリズムに適したタイミング、クロノタイプに従ったタイミングでスポーツを行うことですがね。

[悪いタイミング]

決して寝る直前に運動をしないでください。

就寝時刻が近づいたら激しい運動をしないのが最善の策です。

体の発汗がうながされるようなトレーニングは、遅くとも就寝時間の3-4時間前には終わらせるようにしましょう。

寝る間際に運動して体深部の体温を上げれば、最高の睡眠は得られませんからね。

概日リズムの面からもみても、19-22時の間に運動をすると、体内時計が後ろにじれてしまうので、あまりオススメはできません。

NEATでも睡眠の質はアップする

またまた出てきました「NEAT」です。

以前運動シリーズのところでも出てきましたが、また簡単に触れておきますね。

NEATとは「非運動性熱産生(Non-Exercise-Activity Thermogenesis)」のこと。

ウォーキングやジョギング、筋トレ、水泳、テニス、ストレッチなど健康維持や体力向上のための運動以外の、通勤や家事、移動のための歩行や階段の昇り降りといった日常生活での活動で消費されるエネルギーを指します。

人間の一般的なカロリー消費量は、1日1500-2000キロカロリーくらいなのですが、そのほとんどが基礎代謝(人が生きるために最低限必要なエネルギー消費量)とNEAT(非運動性熱産生)によるものと言われております。

がっちりランニングしようが、必死に筋トレしようが、それで消費されるカロリー量は300-500キロカロリー程度なので、NEATと基礎代謝の消費カロリーの方が大きいわけです。

ですので、積極的にNEATを増やしていきたいですよね。

「NEATレベルを高める」とは、日常生活のなかで意識的に体を動かす時間をつくる(増やす)ということ。

普段から意識して日常生活のなかでの活動量を増やす(=NEATのレベルを高める)ことでも、睡眠の質は向上させられますので、是非とも取り入れてみてください。

快眠をもたらすセロトニン

自然な睡眠に欠かせないホルモンであるメラトニンは、「セロトニン」という神経伝達物質を原料として生成されています。

セロトニンは朝日を浴びることで分泌が活性化し、夕方になると、そのセロトニンを原料にしてメラトニンがつくられ、夜にはメラトニンの分泌が高まって眠気が誘発されるわけですね。

ですので、夜にメラトニンの大量分泌を促すには、その材料であるセロトニンを日中にしっかり分泌させて確保しておく必要があるわけです。

セロトニンの分泌を促すもうひとつの要素が、適度な「リズム運動=リズムを感じる運動、リズミカルな運動」になります。

運動が得意な人ならば、ぜひ積極的にダンスやエアロビクスなどを生活に取り入れましょう。

「リズミカルに体を動かす」行動がセロトニンの分泌を促し、その日の夜のメラトニンの原料の確保につながりますのでね。

ちなみにセロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神の安定や、集中力、楽しく幸せな気分をもたらします。

運動をすると、脳内にトリプトファンが増え、幸せホルモンのセロトニン濃度が上がります。

食事でトリプトファンを摂取するだけでなく、運動を組み合わせることでより効果的に脳にセロトニンが増えます。

運動が脳にいい理由

有酸素運動は状態不安(ある特定の時点で感じている不安)と特性不安(その人が不安になりやすい傾向)の両方に効果が見込まれます。

運動は不安そのものを減らすだけでなく、不安の感受性を減少させ、不安になりにくい心身づくりに役立つわけですね。

不安は睡眠の質を下げる要因の一つですので、不安を減らす運動は脳だけでなく、睡眠の質にもプラスに働いてくれます。

それだけに留まらず、1日15分早歩きをするだけで生活習慣病予防に役立つこともわかっております。

1日6000歩以上を目指してウォーキングを取り入れてみてください。

【まとめ】

・睡眠を改善するために必要な運動の最低ラインは1日30分

・1週間に計150分の「中~強レベル」のエクササイズを行うと、睡眠の質が65%改善

・最高の睡眠を得るには午前に運動するのが理想的

・就寝時刻が近づいたら激しい運動をしないのが最善の策

・自然な睡眠に欠かせないホルモンであるメラトニンは、「セロトニン」という神経伝達物質を原料として生成される

➝セロトニンは朝日を浴びることで分泌が活性化し、夕方になると、そのセロトニンを原料にしてメラトニンがつくられ、夜にはメラトニンの分泌が高まって眠気が誘発される

・セロトニンの分泌を促すもうひとつの要素が、適度な「リズム運動=リズムを感じる運動、リズミカルな運動」

・運動は不安そのものを減らすだけでなく、不安の感受性を減少させ、不安になりにくい心身づくりに役立つ

【クイズ】

Q1:睡眠のためには、午前中ではなく寝る前に運動するのがよい。〇か×か。

Q2:睡眠に欠かせないホルモンとして誤っているものは以下のうちどれか。

 ①メラトニン ②セロトニン ③ヒスタミン

Q3:セロトニンはリズム運動でも増やすことができる。〇か×か。

回答

Q1の正解:×

就寝時刻が近づいたら激しい運動をしないのが最善の策です

Q2の正解:③

 ヒスタミンはアレルギーに関与する物質ですね

Q3の正解:〇

 セロトニンの分泌を促す要素の一つとして、適度な「リズム運動=リズムを感じる運動、リズミカルな運動」があります

今回は、「睡眠の質を上げるアプローチ法」として“運動習慣”に焦点を当ててみてきました。

次回からは、気持ち新たにまた「食事シリーズ」へいこうと思います。

行ったり来たりで申し訳ないですが、どうぞお付き合いください。

宜しくお願い致します。

『健康情報を手に入れて、今日も健やかに楽しく過ごしていきましょ~。ではまた。』

参考文献

『よく眠るための科学が教える10の秘密』リチャード・ワイズマン著

『スタンフォード式 最高の睡眠』西野 精治著

『賢者の睡眠 超速で脳の疲れを取る』メンタリストDaiGo著

『一流の睡眠』裴 英洙著

『睡眠こそ最強の解決策である』マシュー・ウォーカー著

『世界の最新論文と450年企業経営者による実践でついにわかった 最強の睡眠』西川 ユカコ著

『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』ショーン・スティーブンソン著

『最高の体調』鈴木 祐著

『ぐっすり眠る習慣』白濱 龍太郎著

『世界最高のスリープコーチが教える 究極の睡眠術』ニック・リトルヘイルズ著

『Sleep,Sleep,Sleep』クリスティアン・ベンディクト著 ミンナ・トゥーンベリエル著

『最高のリターンをもたらす超・睡眠術 30のアクションで眠りの質を高める』西野 精治著 木田 哲生著

『不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる』鈴木 祐著

『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』田中奏多著

『熟睡者』クリスティアン・ベンディクト著 ミンナ・トゥーンベリエル著

コメント

タイトルとURLをコピーしました