睡眠障害による脳への影響 Part2

睡眠

今回は、睡眠障害による脳への影響でどのような症状がでてくるかをみていこうと思います。

【睡眠障害による脳への影響】

マイクロスリープ

みなさんは、「マイクロスリープ」という言葉を聞いたことがありますか?

マイクロスリープ(瞬間的居眠りとも言う)は、時間にして1-10秒程度という無意識に起きる瞬間的な居眠りのようなもので、睡眠不足から脳を守り、休ませようとするための防御反応なんだそう。

マイクロスリープが発生する原因は、慢性的な睡眠不足で、睡眠不足が反応の速度を遅らせ、マイクロスリープと呼ばれる一時的な意識喪失を引き起こしてしまうと。

マイクロスリープが非常に危険なのは、ほんの一瞬のことであるがゆえに、当の本人も周囲にいる人も「寝ていることに気づかない」という点です。

ほんの少しでも睡眠が足りなくなると、真っ先に影響を受ける脳の働きは、「集中力」と言われています。

この睡眠不足による集中力の低下が社会に与える影響のうち、もっとも深刻なのは、居眠り運転による死亡事故です。

前回のブログでも書かせていただきましたが、睡眠不足で運転することは飲酒運転と同様に危険な行為なのです。

マイクロスリープの改善方法

マイクロスリープの状態は、睡眠不足による脳のエネルギー不足でパフォーマンスを維持できず、普段なら当たり前に発揮できる注意力や集中力、判断力などが著しく低下している状態です。

マイクロスリープを自覚することは難しいですが、疑わしければ以下のことを試してみてください。

1分くらい目を閉じて視覚情報を遮断して脳を休める

15分の仮眠

僕も実際、車の運転中に一瞬記憶が飛んだことがあります。

そんな時は、端に車を停めて休むようにしましょう。

高速道路を運転している時であれば、最寄りのパーキングエリアなどに寄って休憩を取りましょう。

事故を起こしてしまってからでは遅いので。

睡眠不足とアルツハイマー病

まずは、アルツハイマー病について。

以下、厚生労働省のホームページを参考にして書いてみます。

アルツハイマー病とは、軽度認知障害や認知症の原因となる代表的な疾患で、初期には物忘れなどの記憶障害で気づかれることが多い。

アルツハイマー病では、脳にアミロイドβと呼ばれるタンパク質がたまったり、リン酸化タウというタンパク質が塊を作って神経原線維変化と呼ばれる病変ができ、これらの病変の影響で神経細胞が障害され脳が萎縮していきます。

前回のブログで、睡眠は脳の老廃物を排出してくれる大事な役割を持っているとお話ししました。

アルツハイマー病の原因となるアミロイドβなどの老廃物も睡眠によって掃除されているのですが、睡眠不足になると掃除が行われず、脳内に蓄積されることになります。

それによって、アルツハイマー病を招いてしまうということになります。

アルツハイマー病患者の60%は、最低でも1つの睡眠障害を患っていると言われ、若いころから慢性的に睡眠不足の人は、アルツハイマー病のリスクが飛躍的に高くなるともいわれております。

実際に、たった一晩の睡眠不足によって、海馬(アルツハイマー病の初期段階でとくに損傷を受けやすい脳の領域)と視床のアミロイドβ量が5%増加するとの結果もあるくらいです。

藤木通弘氏らの実験でも、睡眠負債や睡眠の質の低下があると認知症にかかりやすくなる可能性があると発表しています。

その他にも、一晩の睡眠不足が神経細胞とグリア細胞の損傷リスクを高める可能性があると言われております。

グリンパティックシステムを司るグリア細胞に損傷が加わるということは、老廃物除去が滞るということですので、アミロイドβが貯留してしまうのも当然ですよね。

また、神経細胞の損傷により神経細胞間のコミュニケーションが断絶することで、認知症、そして最も一般的な認知症の症状であるアルツハイマー病につながる可能性があるということも納得ができますよね。

アルツハイマー病に起因する脳内のプロセスは、睡眠に影響を与えるだけではなく、睡眠・覚醒リズムをも混乱に陥れるとのこと。

実際にその睡眠・覚醒リズムの乱れが、認知障害や認知症の発症リスクの上昇と関連していることを示す研究が増えています。

【まとめ】

・マイクロスリープは、時間にして1-10秒程度という無意識に起きる瞬間的な居眠りのようなもの

・マイクロスリープが非常に危険なのは、「寝ていることに気づかない」という点

・マイクロスリープの改善方法

 ;・1分くらい目を閉じて視覚情報を遮断して脳を休める

・15分の仮眠

・たった一晩の睡眠不足によって、海馬(アルツハイマー病の初期段階でとくに損傷を受けやすい脳の領域)と視床のアミロイドβ量が5%増加する

【クイズ】

Q1:マイクロスリープは自覚できる。〇か×か。

Q2:マイクロスリープの改善方法として昼寝は有効か。〇か×か?

Q3:一晩の睡眠不足によって、どの程度海馬と視床のアミロイドβ量が増加するか。

 ①5% ②10% ③15%

回答

Q1の正解:×

 マイクロスリープが非常に危険なのは、ほんの一瞬のことであるがゆえに、当の本人も周囲にいる人も「寝ていることに気づかない」という点

Q2の正解:〇

 ・1分くらい目を閉じて視覚情報を遮断して脳を休める

・15分の仮眠

  などが改善方法です

Q3の正解:①

 一晩の睡眠不足によって、海馬(アルツハイマー病の初期段階でとくに損傷を受けやすい脳の領域)と視床のアミロイドβ量が5%増加する

今回は、睡眠障害による脳への影響で実際にみられる症状に関してみてきました。

恐い症状ばかりですよね。

しっかり、睡眠をとらないといけないなと改めて思わされました。

次回は、睡眠不足の体への影響をみていきたいと思います。

『健康情報を手に入れて、今日も健やかに楽しく過ごしていきましょ~。ではまた。』

参考文献

『よく眠るための科学が教える10の秘密』リチャード・ワイズマン著

『スタンフォード式 最高の睡眠』西野 精治著

『賢者の睡眠 超速で脳の疲れを取る』メンタリストDaiGo著

『一流の睡眠』裴 英洙著

『睡眠こそ最強の解決策である』マシュー・ウォーカー著

『世界の最新論文と450年企業経営者による実践でついにわかった 最強の睡眠』西川 ユカコ著

『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』ショーン・スティーブンソン著

『最高の体調』鈴木 祐著

『ぐっすり眠る習慣』白濱 龍太郎著

『世界最高のスリープコーチが教える 究極の睡眠術』ニック・リトルヘイルズ著

『Sleep,Sleep,Sleep』クリスティアン・ベンディクト著 ミンナ・トゥーンベリエル著

『最高のリターンをもたらす超・睡眠術 30のアクションで眠りの質を高める』西野 精治著 木田 哲生著

『不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる』鈴木 祐著

『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』田中奏多著

『熟睡者』クリスティアン・ベンディクト著 ミンナ・トゥーンベリエル著

厚生労働省ホームページ;https://www.mhlw.go.j

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