美味しく食べて『ストレス』を減らそう

食事

前回は、「老化に関連した食事」をお話させていただきました。

今回は『ストレスに関連した食材』に関してみていこうと思います。

【ストレス緩和をもたらす食材】

《アンチストレスフード》

鬱に関する研究では、特定の栄養素が不足するとメンタルが落ち込みやすくなったり、ストレスに弱くなったりしてしまう可能性があるといわれています。

「アルギニン」と「リジン」という2つのアミノ酸を含む食材を、毎日一定量食べるようにすると、余計なストレスを抱えなくて済むそうです。

基本的に必須アミノ酸は、肉類や魚介類に含まれています。

鶏肉、豚肉、サバ、カツオがオススメになりますので、1日に100-200g程度の量を摂取するようにしましょう。

マグネシウムと組み合わせて摂取するだけで、アルギニンとリジンの吸収効率がアップします。

ちなみに、マグネシウムを多く含んだ食材は、わかめや昆布などの海藻類になります。

スーパーでお刺身の隅にちょこんと海藻がのってたりしますが、理にかなっているのですね。

残さず一緒に食べましょう。

≪メンタルアップが期待できる野菜類≫

[ビタミンB1を含むもの]

ビタミンB1は豆類に含まれ、脳のエネルギー代謝を助けます。

また、自律神経の働きを整え、無気力を防ぐのに重要なビタミンです。

不足すると糖分の分解が不充分になって気力減退や情緒不安定(イライラしたり、怒りっぽくなる)などの症状が出てしまいます。

ニンニク、ニラ、タマネギなどは、ビタミンB1の働きをより高めてくれます。

[ビタミンB6を含むもの]

ビタミンB6は神経の働きを正常に保ち、不足すると神経過敏や不眠を招きます。

ニンニクや唐辛子、パセリ、カブ、サツマイモなどに含まれている

[ビタミンCの多いもの]

ビタミンCはストレスに抵抗するホルモンの生成に働きます。

疲労を回復して精神状態を軽快にする作用もあります。

ピーマン(特に赤・黄ピーマン)、芽キャベツ、ほうれん草、ブロッコリー、京菜、カブの葉、カリフラワー、ニガウリ、サヤエンドウなどが多く含んでいます。

一般にビタミンCは調理によって失われやすいのだが、ピーマンやジャガイモは加熱による損失が少なく、ピーマンは3個、ジャガイモは2個で、一日に必要なビタミンCが摂れます。

[カルシウムの多いもの]

カルシウムには精神を安定させる働きがあり、不足するとイライラや神経過敏などの症状を引き起こします。

肉類などのタンパク質や砂糖、塩分などを過剰に摂ると、カルシウムが消費され、カルシウム不足を招くので注意が必要です。

ひじき、昆布などの海藻類やキクラゲのほか、小松菜、モロヘイヤ、大根葉、カブの葉、京菜、ツマミ菜、広島菜、からし菜、野沢菜、春菊、チンゲン菜などの青菜・緑黄色野菜や、豆類に多く含まれています。

[マグネシウムの多いもの]

マグネシウムもカルシウムとともに、精神の安定に働きます。

カルシウムとマグネシウムの摂取比率は2-3対1が理想とされます。

また、強いストレスや激しいスポーツの後、またリンを含む加工食品の摂り過ぎは、マグネシウム不足をきたしやすいので注意が必要です。

ほうれん草、ゆで大豆、納豆や干しひじき・乾燥ワカメなどの素干しの海藻類に多く含まれています。

[ネギ属の野菜]

タマネギは精神を安定させる作用があると考えられています。

これはタマネギに多い硫黄を含む成分(含硫有機化合物)によるものになります。

タマネギほどではないですが、ネギ、ニラ、ニンニク、らっきょう、アサツキなど他のネギ属の野菜にも同様の傾向がみられます。

[トリプトファンを含むもの]

トリプトファンは必須アミノ酸の一種で、不安や緊張を和らげる精神安定作用があり、大豆や高野豆腐などの大豆加工品に含まれています。

[食物繊維の豊富なもの]

食物繊維はインスリンの過剰分泌を防いだり、ビタミンB群の合成に関わり、精神安定に一役買っています。

モロヘイヤ、ゴボウ、大豆、枝豆、オクラ、ブロッコリー、カボチャ、カリフラワー、サヤエンドウ、とうもろこし、インゲン豆、春菊、京菜、ほうれん草、筍、らっきょう、ネギ、ニンジン、サツマイモ、サトイモ、ピーマン、ナス、こんにゃくなどに多く含まれます。

《不安を防ぐ食品》

不安、鬱を防ぐためには、ビタミンB7(ビオチン)を摂取するといいみたいです。

ビタミンB7が多く含まれる食材は、卵黄、キノコ、レバー、ピーナッツ、カリフラワーなどがあります。

ビタミンB9(葉酸)が不足すると、鬱の原因になることもわかっています。

ビタミンB9とビタミンB12を摂取するだけで、アルツハイマーの発症が50%低下という研究もあるくらいです。

ビタミンB9が多く含まれる食材は、濃い緑の葉野菜、アスパラガス、カブ、芽キャベツ、大豆、小麦胚芽、インゲン、サケ、アボカド、オレンジ、牛乳などです。

ビタミンB12が多く含まれる食材は、大豆、ハマグリ、鶏、かに、サケ、卵などです。

フリーラジカルと戦ってくれているのが抗酸化物質で、ビタミンE、ビタミンC、カロチノイド、フラボノイドなどがあげられます。

フラボノイドには、強力な抗酸化作用があるだけでなく、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)による細胞の酸化も防いでくれる作用があります。

リンゴとニンジンを混ぜたジュースは、抗酸化作用としては最強です。

前回の老化に関連した記事で、「抗酸化」に触れていますので、是非参考にしてみてください。

《ストレスから身体を守る食材》

春菊の独特な香りは、αピネンと呼ばれる成分で、脳を刺激してリラックスさせてくれる効果があります。

抗酸化作用も高く、風邪で咳が辛いときなどは、αピネンやベンズアルデヒドを摂取できる春菊はオススメの食材になります。

ミョウガにも、αピネンや抗酸化作用の高いアントシアンが含まれています。

ニラにはケンペロールと呼ばれる不安を抑える働きのある物質が入っているため、抗炎症、抗アレルギー、抗がん、抗不安、抗酸化作用が期待されます。

熱を加えること溶け出してしまう成分もあるため、野菜を加熱する場合は、スープにしたり、蒸したりするのが、科学的にはオススメになります。

《コミュニケーション力の不安をなくす食材》

コミュニケーション力の高い人は、「発酵食品」を好んで食べていることがわかっています。

発酵食品を毎日食べることで、人前での緊張や不安が減り、自然にコミュニケーションを取ったり、人前で話したりすることができるようになると。

発酵食品にはコミュニケーション障害を治す効果があるのかもしれません。

実際に、ぬか漬けや納豆などの日本古来の発酵食品を食べるとメンタルが強くなる可能性があることがわかっています。

また、コミュニケーション力の高い人は、「日常の運動習慣が多い」こともわかっています。

運動を習慣化することで、自信を持つことができるようになり、結果的に不安や緊張を感じづらくなるのかもしれないですね。

つまり、不安や緊張を感じにくいコミュニケーション力の高い人は、「日常の運動習慣が多い」「発酵食品をよく食べている」という2つの生活習慣における特徴がありました。

実際に、日常的に運動をする習慣があり、できるだけたくさんの種類の発酵食品を食べている人の方が、コミュニケーション障害の原因でもある社会不安を感じにくかったことが報告されています。

【まとめ】

・メンタル改善に役立つ2つのアミノ酸

;アルギニンとリジン

・メンタルアップが期待できる栄養素

 ;ビタミンB1・6、カルシウム、マグネシウム、トリプトファン、食物繊維など

・ビタミンB7・9・12を摂取すると不安耐性が上昇する可能性あり

・春菊、ミョウガ、ニラは不安を抑え、脳をリラックスさせてくれる

・不安や緊張を感じにくいコミュニケーション力の高い人

;「日常の運動習慣が多い」

「発酵食品をよく食べている」という2つの生活習慣における特徴があった

【クイズ】

Q1:メンタルを安定させるにはバランスよく栄養素を摂取することが重要だ。〇か×か。

Q2:不安を抑え、脳をリラックスさせてくれる食材として誤っているのは以下のうちどれか。

 ①春菊 ②茗荷 ③バニラ

Q3:コミュニケーション力の高い人が行っている習慣として正しいのは以下のうちどれか。

 ①運動は控える ②なるべく家で過ごす ③発酵食品を食べる

回答

Q1の正解:〇

その通りですね

鬱に関する研究では、特定の栄養素が不足するとメンタルが落ち込みやすくなったり、ストレスに弱くなったりしてしまう可能性があるといわれています

Q2の正解:③

 「バニラ」ではなく「ニラ」ですね

Q3の正解:③

 不安や緊張を感じにくいコミュニケーション力の高い人は、「日常の運動習慣が多い」「発酵食品をよく食べている」という2つの生活習慣における特徴があると

今回は、『ストレスに関連した食事』に関して簡単にまとめてみました。

次回は、『脳力向上が期待できる食事』を簡単にまとめてみようかと。

『健康情報を手に入れて、今日も健やかに楽しく過ごしていきましょ~。ではまた。』

【参考文献】

『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』満尾 正著

『食欲人』デイヴィッド・ローベンハイマー著

     スティーヴン・J・シンプソン著

『食事のせいで、死なないために』マイケル・グレガー/ジーン・ストーン著

『人生が変わる 神レシピ』メンタリストDaiGo/つっしー著

『一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』鈴木 祐著

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